穂坂路男

山梨県富士・東部地区の在宅医療は、在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションが全国平均より少なく、夜間対応型訪問介護もない厳しい状態。

機能強化型在宅療養支援診療所の要件改訂後、当地区でも病診の連携が必要となりTOFU-NET(在宅医療医師連携ネットワーク)を設立し、毎月の定例カンファレンスで各医療機関の在宅患者情報共有やセカンドコール依頼等を行ってきた。

一方、地域包括支援センター等による在宅医療体制の推進が図られているが、実際の多職種間連携が未整備の為、精神的・肉体的・経済的負担が大きいと各職域から在宅医療は敬遠され、普及が困難な現状がある。

そこで、平成22年より多業種が自然発生的に寄り集まった井戸端会議的な「富士北麓在宅医療連携の会」が発足し、以下の活動を行ってきた。

①在宅医療に関する情報収集や助け合いの場を提供 ②専門外の知識習得の為に嚥下評価法等の各業種の専門家による講演や事例検討会を定期的に開催 ③可能な限りの多施設・多職種との連携の方法として、FT-Net(富士・東部医療圏患者情報共有システム)を利用したIT活用の為、グループウェア講習会を昭和大学富士吉田校舎で開催 ④昭和大学地域在宅医療実習を、現在の当地区の在宅医療に関する問題点の整理や検討の機会とするため、平成23年から担当。

今後、昭和大学在宅チーム医療教育事業が、各地区での在宅医療における多職種チーム医療の契機と成り得ると期待している。

勝山診療所 所長 穂坂路男

説明会で使用した資料は下記からダウンロード出来ます。